「ワーキングプア」って何?? | ガクラボ
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「ワーキングプア」って何??

こんにちは!
いつもガクラボの記事を読んでくださり、ありがとうございます(^v^)

 

今回は、「ワーキングプア」について考えていきたいと思います。

 

皆さんはこの言葉、聞いたことがありますか?
「ん?…トイプードル的な?」

 

いや、いや!!

実はこれは、「日本の社会が現在どうなっているか?」
ということと密接につながっている、大切なテーマなんです☆

 

ワーキングプア(working poor)とは、ひと言でまとめると「働く貧困層」のこと。
これまで貧困はよく失業と関連づけられてきたのですが、
「雇用に付きながら」という新しい種類の貧困として米国・カナダ、さらにイタリア・
スペイン・アイルランドなどの先進国で見られると論じられるようになりました。
日本では国民貧困線が公式設定されていないため、
「正社員並み、あるいは正社員としてフルタイムで働いてもギリギリの生活さえ
維持が困難、もしくは生活保護の水準にも満たない収入しか得られない就労者の社会層」
と解釈されているそうです(以上、ウィキペディアより)。

 

ワーキングプアは現在1,000万人を超えており、
特に若い世代にどんどん増加しているのです。
皆さんは、20代のおよそ7割がワーキングプアだということを知っていましたか?


上の図は厚生労働省の平成19年度の「賃金構造基本統計調査」による
年収200万未満の労働者を年代別に表したものです。
10代の人たちはこれから数年で社会へ出ることになりますが、
その多くはワーキングプアになってしまう可能性が非常に高いと予測できますね(>_<)
また、皆さんは「ネットカフェ難民」という言葉を聞いたことがありますか?

 

「いや、俺(私)はネットカフェとか行かないし~…」と思う人もいるかもしれません。
ネットカフェ難民とは、24時間営業で格安で宿泊できる
漫画喫茶やインターネットカフェで一夜を過ごすタイプのホームレスのことです。

 

上の図は厚生労働省の 「報道発表資料」 による2007年中旬に把握できた
ネットカフェ難民の年代分布をグラフで表したものです。
この時点でネットカフェ難民は全国で5,400人いるという結果が報告されています。
最近は不況ということもあって、その数倍は存在しているそうです。
そして年代分布を見てみると、10~20代の若い世代だけで
3割も占めていることが分かります。
「ワーキングプア」と「ネットカフェ難民」。
これら2つの事象には大きな関連性があると考えられますね。
そして、今後どうなるのか?と考えた時、
ワーキングプアが10年で300万人増加している、
というデータから日本の深刻な状況が見えてきます。

 

 

上の図は厚生労働省の 「賃金構造基本統計調査」 によって表されたデータを元に、
ワーキングプアがこの10年でどのように変化しているのかを表したものです。
人口が減っているはずの日本において、ワーキングプアが1000万人を突破しています。
しかもグラフを見れば完全な右肩上がりになっており、改善する兆しが見られませんね。
10代の人が社会に出る数年後には、ますます悪い状況になっていると考えられませんか?
こんな状況では、「俺(私)には関係ないし~」なんて言っている場合ではないですよね。
では、どうしたらよいのか??
例えば、この問題に詳しい山田昌弘・中央大学教授は
「家族形態や働き方に関わらず、個人単位に社会保障制度を構築することが急務」
と主張しています。

 

(日本経済新聞 2012/12/28 「これから急増 ワーキングプアの老後どう支える」http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2500E_V21C12A2000000/)
この問いに対する答えは、それぞれの人の中に存在すると思います。
しかし、まずは個人がこの問題について認知すること。
そこからすべてが始まるように思います。
皆さんは学校や職業の選択において、考えることが山ほどあるでしょう。
今回の話はどちらかというと明るい話ではないですが、そんな時だからこそ、
一人ひとりの選択が重要になってきます。
日本の現状を知る。

 

そうした目線から、私たち自身のこれからを考え、行動していく。
そんな人が増えていくことを切に願います(^v^)

 

更新日時:2013-05-24 18:43