こんにちは。
皆さん、「受験」において「推薦入試」があることは
ご存知だと思います。
同じように、「就職」においてもいわゆる「推薦」の
制度があることをご存知ですか?
一般にはあまり知られていないかもしれませんが、
理系、特に工学系の学生の採用については、
かなりの企業で新卒採用に推薦枠があります。
(採用に当たって、必要な専門知識をどうやって測るかが
難しいという事情もあるかもしれません)
○○大学の△△学部××専攻の学生から何名みたいな感じです。
工学系の学部では大学院進学が当たり前になってきている
状況もあるので、大学院の学生が優先されたり、
学部生には推薦を与えなかったり、大学によって状況は異なります。
情報はあまり公開されないので、
詳細を正確に調べることは難しいかもしれませんが、
平成19年の厚生労働省調査では、従業員数によって、
5,000名以上 の企業では52.5%
1,000~4,900名の企業では46.7%
300~ 999名の企業では44.0%
100~ 299名の企業では36.4%
30~ 99名の企業では25.8%
がいわゆる「推薦」での採用で、大企業ほどその割合が大きいですし、
従業員5,000名以上の企業においては実に半分以上が推薦枠です。
一般的には、通常の「一般採用」の場合と比べて、
・一般採用の場合よりも面接回数が少ないことが多い。
・交通費が会社側負担負担されることが多い。
・選考基準も比較的甘い。
・大学側である程度企業が選別されていて、
いわゆる優良企業が多い。
(これがそれぞれの学生にとって必ずしも良いとは限りませんが)
といった傾向があると言われており、
・求人数が少ない。
・内定が決まったら、断ることができない。
(=二社以上同時に受けることができない)
といったこともあります。
・・・大学入試における指定校推薦に近いですね。
ただし、推薦をもらえたからといって、
必ずしも内定がもらえる訳ではありません。
企業によっては、推薦は挨拶代わりで、
そこから厳しい選考が待っている場合もあります。
「どこに就職するか」以上に「将来何をするか」、
そのために「何を学ぶか」が重要なのは言うまでもありませんが、
一方で最短経路でスタートラインに立つための手段のひとつです。
「将来ここで仕事をしたい」という企業がある程度決まっている方は、
大学のホームページ等で就職実績を確認してみてください。
特に工学系の学部で就職実績のある大企業だと、
推薦枠がある場合が多いです。
そして、同じ企業でもいわゆる難関大学の方が
採用枠が多い傾向があると言われています。
(あくまで傾向で、もちろん専門分野や地方によって異なります)
仮に推薦枠がなくとも、先輩がその企業に就職しているということは、
一般の説明会では聞けないような情報をOB訪問等で得られる場合があります。
そういった意味でも、受験前の今のうちに
こういった情報も検討しておくことが大事ですね。