今日は、センター試験対策にもなる、
ケアレスミスをなくす方法についてです。
まず、日本史のセンター試験から一問!
【問題】
奈良時代の貴族について述べた文として誤っているものを、
次の①~④のうちから一つ選べ。
①貴族には、朝廷から封戸を得るなどの特権が与えられた。
②藤原不比等の4人の男子が、長屋王を自殺させ政権を握った。
③藤原仲麻呂の政治に不満をもつ貴族が、橘諸兄を中心に反乱を起こした。
④貴族の子や孫には、蔭位の制によって一定の位階の授与が保証されていた。
答えは…
①、ではありません。
「③」が正解です!
①の文には、「封戸」という用語がありますが、
これを読んでパッとイメージできる方は少ないのでは?
そのため、この文は正しい!と確信を持てないので、判断を「保留」にしておきます。
では、他の文はどうでしょうか?
②と④は正文。
③は、反乱を起こしたのは、橘諸兄ではなく、「橘奈良麻呂」です。
ここでのポイントは、①の文の正誤がよく分からないことに左右されず、
ひとまず判断を「保留」にする。
そして、今回の③の文のように、明らかに間違いだと判断しやすい選択肢がない
かどうかに注目して読むということです。
①の「封戸」ってなんだ~???と考え込まず、まずは選択肢全体を読みましょう。
結局この問題は、
藤原仲麻呂の政治に不満をもつ貴族の反乱=橘奈良麻呂の乱
だと分かっていれば解けた問題です。
「うわ~!そんなこと知っていたのに、他の選択肢にだまされた~!」
という方はいませんか??
まずは「確実に分かる選択肢」から消去していくことを試してみましょう。
つまり、要約すると、
①いまいち良く分からない(判断できない・認識できない)ものが出てきたら
⇒判断を保留する
②他からヒントを探す
③保留したものをもう一度思考するこういう作業をしなさいということでした。
これは本当に大事です。
なぜなら、私たちには、「認知バイアス」というものがあるからです。
この認知バイアスというのは、「ざっくりいうと」先入観みたいなもので、
いろいろ判断しちゃうよっていうことです。
ヒューリスティックという、
「大体こんな感じになるよね~ふつう」っていう考え方を
何度も何度もやっていることによって、認知バイアスというのが生まれます。
例えばなんですけど、「良く聞いたことがある」ものを選んじゃうとか。
100万円のダイヤの指輪を見た後に10万円の指輪を見ると、「安いと思っちゃう」とか。
大学受験における好例としては、「東大100人合格!」とか。
10000人受けていて100人合格なのか、
100人受けて100人合格なのかによって意味は変わります。
もっといえば、その100人が受かったからと言って、
あなたが合格するとは限らない。
要するに、「何度も聞いたことがある」とか、
「なんか大きい数字」とか、そういうことで意外と判断しちゃってるんですよね。
で、今回のケースだと、「誤っているものを探せ」となったら、
「見たことある」「聞いたことある」⇒「正しい」としやすい。
で、
「見たことない」「良く分からない」⇒「誤り」
これが原因で、
「あー、前に書いてた答えの方が正しかった!」
とかになりやすいんですよね。
ケアレスミスをなくす方法は、一言でいえば、この「認知バイアス」を知ること。
自分の思考のプロセスを把握することにつきます。
人間は、「ヒューリスティクス」が出来上がっているので、ミスの傾向って人によってほぼ同じ。
何度も何度も同じようなミスをするはずです。
「ケアレスミスは治らない?」
そんなことないです。治し方はあります。
あるのに、分かっていないだけだし、もぐらたたき状態で、
ミスのたびに個別に対処しているという状況になっているにすぎません。
いかに思考プロセスを知るのか?
気になった方は、ひとことメッセージを下さい^^