今日は皆さんが義務教育で通ってきた小・中学校や、
高等学校の先生になるためにはどうしたらいいか?という話をしていきます。
【資格(免許)の種類について】
①種類1~学校の違いによる分類~
まずは小学校、中学校、高等学校の3種類の学校があるので、それぞれ免許が違います。
・小学校教諭免許状
・中学校教諭免許状
・高等学校教諭免許状
の3種類ありますので、自分がなりたい学校の免許状に合わせて資格を取得する必要があります。
②種類2~修学レベルの応じた分類~
続いて、修学レベル(簡単に言うと学歴)に応じた3つの分類があります。
・専修免許状=修士の学位(つまり、大学院)が必要
・一種免許状=学士の学位(つまり、大学卒)が必要
・二種免許状=短期大学士(つまり、短大卒)が必要
以上より、【なりたい学校の種類】と【学歴のレベル】がそれぞれ3種類ずつ分類があるので、
9種類の組み合わせ方がある免許です。
【小学校と中学校・高等学校の違い】
簡単に言うと、
【小学校教諭には教科の区別がない】
【中学・高等学校教諭には教科の区別がある】
という違いがあります。
思い出していただきたいのは、小学校だと、
担任の先生が数学も国語も音楽も、といろいろと教えてくれていたはずです。
が、中学校からは、担任の先生とは別の先生が数学や英語、
国語や体育といった具合に教科ごとに変わっていませんでしたか?
これは免許の違いによるものです。
【中学校教諭・高等学校教諭の教科】
<中学と高校で共通している教科(全16種類)>
A 国語・書道
B 数学
C 理科
D 社会・地理歴史・公民
E 保健体育・保健
F 音楽
G 美術・工芸
H 家庭
I 技術・工業
J 職業指導
K 宗教
L 英語
M 中国語
N フランス語
O ドイツ語
P その他言語
<中学校のみの教科(1種類)>
Q 職業
<高等学校のみの教科(7種類)>
R 看護
S 情報
T 農業
U 商業
V 水産
W 福祉
X 商船
以上のような教科の種類があります。
このように見ると、中学校や高等学校ではより専門的に区分けされた教科の勉強をすることが分かりますね。
【資格(免許)の取得方法について】
大きく分けて2種類の方法があります。
①教員免許状を取得できる大学を卒業する
これが一番メジャーな方法だと言えるでしょう。
大学の教育学部などで教員養成の課程を履修する方法です。
下記のURLは文部科学省のHPです。こちらに具体的な大学が紹介されていますので参考にしてみてください。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/daigaku/1286948.htm
②教員資格認定試験に合格する
これは、教職課程を修了していなくても教員としての資質、
能力を有する者に教員免許を与える機会を開くためのもので、
「広く一般社会に人材を求め、教員の確保を図る」ことが目的となっています。
つまり、大学を卒業していない人でも教員としての資質や能力があれば免許が取得できる制度です。
「え、じゃあわざわざ大学を卒業せずに、こっちで取得したほうがいいんじゃない??」
と思うかもしれませんが、注意してください。
この試験の最終的な合格率は10%程度です。
試験の難易度自体が決して易しくないことが一番の理由として挙げられます。
こちらの情報も文部科学省のHPにありますので、下記のURLを参考にしてください。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/nintei/main9_a2.htm
【免許が取れただけでは先生になれない!?】
「教員免許が取れた!おめでとう!!これでやっと先生になれますね!」
とはいかないのが学校の先生の世界。
免許をとった段階では、例えるならば、
「自動車の運転免許を取りました!でも、運転する自動車がありません・・・」
という状態です。
つまり、教員免許を取得しただけだと、
「どこの学校で先生になるか?」というのが決まっていないわけです。
ここで、【教員採用試験】という第二の試験がやってきます。
【教員採用試験~公立と私立の違い~】
教員採用試験は、公立の学校(例えば、◯◯県立◯◯高等学校など)と、私立の学校で異なります。
①公立学校の教員採用試験
都道府県や政令指定都市の教育委員会によって実施されます。公立の学校の先生は「公務員」の扱いです。
基本的に二段階の試験があり、一次試験では学力試験と人物試験、
二次試験では人物試験というものが多いようですが、正しくは各教育委員会に確認が必要です。
②私立学校の教員採用試験
私立の学校の先生は公務員ではありません。
言ってしまえば「私企業」の社員なわけです。
ですので、各私立学校によって試験も異なり、また、時期も異なるようです。
【教員採用試験の動向】
地方自治体により試験の実施がことなるため一概には言えませんが、
基本的には倍率は決して低くないようです。
■東京都:6.7倍(平成25年度)
■大阪市:5.0倍(平成25年度)
■名古屋市:5.0倍(平成24年度)
いわゆる大都市だと上記のようになっています。
もちろん、小学校と高等学校では違うし、また、教科によって倍率の違いはあります。
倍率だけで選択する、ということはあまりおすすめはできません。
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以上のように学校の先生のなり方について外観してきましたが、どうでしたか?
私自身、いろいろと情報を見ながら感じたことがあります。
どこの地方自治体で、どんな教科、またはどんな学校の先生になりたいか?
で戦略が変わってくるだろうな、ということです。
当たり前ですが、試験が異なればやることも自ずと異なります。
教育学部を目指している人や先生になりたいと考えている人は、一度、
具体的に「どんな教科の、どこの場所の、どんな学校の先生になりたいか?」を具体的に考えて、
それらについての情報収集をしてみるといいと思います!