「就職に役立つ資格・取ったほうがいい資格は何か・・・など教えてほしいです。」
ある日、高校生からこんな質問をされました。
素直に「もう就職のことを考えるなんて偉い!」と思う一方で、「先々のことを考えると不安なんだろうな…」と少し悲しくなりました。いつのまにか”就職難”という言葉が当たり前に使われるようになって、”大学を卒業をすればちゃんと就職できる”という当たり前がなくなってしまいました。じゃあ「不景気だから手に職をつけよう!」とみんなが資格習得を目指す一方で、「専門学校を出ても就職先がない」とも言われてしまうのが現状です。
「一体、進路はどうすればいいんだよ…」
このような気持ちになってしまうのも仕方ないでしょう。進路が決まらないから勉強のやる気が起きないのもよくわかります。今日はそんな人たちに、学校選びに失敗しないとっておきの方法をお教えします。しかも、とても簡単なことなので誰でもすぐに使うことができるやり方です。
その方法とは…
「就職率の高い学校に進学してください。」
もうシンプルにこれだけです。100人中100人が就職している学校であれば、確率的にあなたも就職できる可能性が非常に高いです。
「そんな当たり前のことは聞き飽きたよ。今は偏差値の高い有名校でも就職できねんだよ。現場なめんなよ…」
と、思った高校生のみなさん。
ちょっと待ってください。大事なのはここからです。「就職率の高い学校」と言っても、この就職率が曲者なんです。この数字に騙されなければ、学校選びに失敗することは確実に減るでしょう。
- 就職率の分母に注目すべし!
実は、就職率の計算方法は「就職者÷就職希望者」で求められるようになっています。仮に、100人の就職希望者がいて80人の就職が決まれば、80%の就職率となる計算です。
ここからがポイントです。
この「就職希望者」とは一体なにを指しているのでしょうか。…一般的な定義は、下記のようになっています。
「卒業式のある3月で就職を希望しているもの」
つまり、下記のようなケースがこの計算式には入っていません。
◆卒業までに退学したもの
◆休学しているもの
◆単位数が足りなくて卒業見込みが立たないもの
◆最初から就職する意志がないもの
◆途中で就職を諦めてしまったもの
…では実在するとある大学を例にして式の違いを見てみましょう。
就職希望者が404人に対して、就職者が390人。就職率にすると、なんと96.5%!!
殆んどの人が就職できていますね。今のご時勢に素晴らしいことです。この学部に入学しておけば間違いないと誰もが思うでしょう。さらに、ここが偏差値が高く有名な学校であればもう安泰ですね。
・・・・・・・・・・・・・もう気づきましたか?
入学者の数字に注目してください。2008年度にこの学部には650人が入学しました。しかし、2011年度の卒業時には568人しかいません。この「82人」はどこに行ってしまったのでしょうか。
◆卒業までに退学したもの
◆休学しているもの
◆単位数が足りなくて卒業見込みが立たないもの
おそらくはこれに該当するのでしょうね。それに卒業者が568人いるのに対して就職希望者が404人しかいません。進学希望者の54人はいいとして、残りの「110人」はどこに行ってしまったのでしょうか。
◆最初から就職する意志がないもの
◆途中で就職を諦めてしまったもの
今度はこちらに該当するのでしょう。
なので、入学した人から就職率を考えると、「就職者(390人)÷入学者(650人)=65.4%」
なんと、65.4%になるのです!!!
96.5%と65.4%では大きな違いですよね・・・・・。通常の就職率の出し方だと分母を学校側が操作できてしまう部分があるので、正直なところ参考にすべきものとは言えません。
だからこそ、「就職者÷入学者」の計算式を重要視してください。この数字は学校側が操作することが出来ませんし、これこそがあなたにとって重要な”就職率”であるからです。
たったこれだけのことです。
有名だから大丈夫。先生が薦めてくれたから大丈夫。知っている人が行っているから大丈夫。…こういった印象で学校選びをすると、どうしても失敗する確率が上がります。
「就職が不安ならば、大多数の先輩が就職できている学校にいく」
学校選びに失敗したくない人はこの王道でいきましょう!